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6・7月

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丸山 采

 サルバドール・ダリ(1904~1989)はスペイン出身の画家です。「シュルレアリスム」を代表する画家としてその名が知られています。見る人に強い印象を与える独特な世界観の作品を多数残していますが、私たちがよく見かける身近なところで言えば、棒付きキャンディー「チュッパチャプス」のロゴデザインは彼によるものです。彼のピンと上に伸びた髭も特徴的で、ファッションや生き方そのものに憧れる人も多くいるはずです。

 そんな、世界にその名を轟かせる超有名画家であり、技巧的にも非常に優れているダリが「完璧を恐れるな。あなたは決してそこには到達しないのだから。」と言うのです。ここに「あなた」とありますが、これはもちろんダリ自身を含んだすべての人のことだろうと思います。

 ダリは絵画の人ですが、音楽や文学などあらゆる創造的な活動を行う人は、きっと自分の作品や自分自身に対して「完璧」を追い求める心がどこかにあるのだろうと思います。おそらくダリも、芸術家である以上は同じであっただろうと想像します。

 そもそも「完璧」とはどのような状態のことを言うのでしょうか。作品に間違いや失敗がひとつもない、という状態を完璧と呼ぶのでしょうか。コンテストで点数として高い評価が得られるのはそういう作品や演奏かもしれません。しかし、間違いがないかどうか、失敗がないかどうか、というそれだけでは人の心を動かす芸術としての善し悪しを計れないことも、芸術に関わる人ならよく分かるはずです。外からみれば間違いや失敗だらけの作品に強く心を動かされるということも多くあります。

 なぜ私たちは完璧を求めるのでしょうか。完璧だとどうなるのでしょうか。案外答えられないものです。

 「完璧」というものは、本当は実態としてはどこにも存在しないものなのかもしれません。そうであるなら、私たちを時に強烈に私を苦しめる「完璧でなくてはならない」という思いは、本当は存在しないものに縛られているということになるのではないでしょうか。「完璧を恐れるな」とは、存在しないものに縛られるな、というダリからの心強いメッセージなのではないでしょうか。

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